Tablixデータ領域は、Microsoft Excelのピボットテーブルに似ています。Tablixは、データセットのレコードをグループ化し、これらのグループ(グループインスタンスと呼ばれる)の一意の値を水平方向(列グループ)と垂直方向(行グループ)に配置します。行グループと列グループの交差点には、複数の集計値が表示されます。たとえば、「集計データを使ったレポート」チュートリアルでは、行グループに店舗名が表示され、列グループに年が表示され、それらの共通部分に各年の各店舗の純売上高が表示されます。
また、Tablixは、事前定義された条件またはユーザー入力に基づいてデータを並べ替えおよびフィルタできます。
Tablixデータ領域をレポートに追加するには、ツールボックスからTablixをダブルクリックするか、デザイン面にドラッグ&ドロップします。
データの連結を設定した場合、新しいTablixを追加すると、Tablixウィザードが表示され、行グループ、列グループ、集計値、およびさまざまなレイアウトオプションを即座に構成できるようにします。
利用可能なデータセットは、Tablixウィザードの左側に表示されます。これらのデータセットのフィールドを[行グループ]、[列グループ]、および[値]領域にドラッグ&ドロップできます。
[レイアウトオプション]の右側にある[フィルタ]ボタンを使用すると、Tablixに表示されるデータのフィルタ条件を追加できます。
行グループと列グループのフィールドの一意の値によって、行と列のグループインスタンスが生成されます。フィールドの右側にあるドロップダウンリストを使用して、これらのグループインスタンスをフィルタおよび並べ替えたり、それらの値に書式を適用したりできます。[入替]ボタンを使用して、行グループと列グループを切り替えることができます。
次のように、行グループと列グループに複数のフィールドを追加して、階層構造を作成できます。
出力されたレポートでは、「年」行を展開すると、「月」行が表示されます。
[値]領域に配置されたフィールドは、行と列のグループインスタンスの共通部分に表示される集計値を決定します。Sum
、Count
、Avg
などの集計関数を指定でき、その右側にあるボタンを使用して集計値の書式を設定できます。また、[表示]ドロップダウンでは、集計値の高度な数式を指定できます。サポートされている値は次のとおりです。
複数の集計値は、デフォルトで水平方向に配置されており、[行として表示]をオンにすることで垂直方向に配置することができます。たとえば、「複数の値を持つTablix」デモでは、絶対値とパーセンテージを使用して、製品カテゴリの販売に対する販売チャネルの貢献を表示する2つの集計値があります。これを実現するために、[値]領域に「SalesAmount」を2回追加し、両方に対してSum関数を設定し、2番目の値の[書式]を「Currency」に設定して、最初の値の[表示]を「列グループ比率(%)」に設定します。
[レイアウトオプション]の[合計]タブでは、列グループと行グループの総計と小計の外観をすばやく設定できます。
[レイアウトオプション]の[組織]タブでは、Tablixの対話的な機能を構成できます。
通常は、Tablixの初期構成を完了し、ウィザードを閉じて再度開くと、設定を調整できます。ただし、「高度なTablix使用方法」デモでは、ウィザードはTablix構造を処理できず、対応する警告を表示します。
Tablixウィザードを閉じると、デザイナを使用してTablixの構成を設定できます。次の図は、Tablix内の任意の場所をクリックした時に表示されるTablixデザイナのデフォルトの構造を示します。
次のいずれかの方法を使用して、Tablixデータ領域の一般的な設定をプロパティタブに読み込むことができます。
Tablixデータ領域の一般的な構成設定には、基本プロパティ、スタイルプロパティ、データ領域のプロパティ、表示プロパティ、改ページプロパティ、および次の特定のプロパティが含まれます。
コーナー領域は、左上隅(RTL Tablixの場合は右上隅)に表示されます。ただし、レイアウトの方向はプレビュー時にのみ適用されます。この領域は、新しい列または行グループを追加すると、水平方向または垂直方向に自動的に拡張されます。コーナー領域内のセルを結合して、TextBoxやImageなどのコントロールを挿入できます。セルを結合するには、Ctrl(Windows)またはCmd(Mac OS)キーを押しながら、セルを選択し、選択範囲を右クリックして、コンテキストメニューから**[セル] *>* [セルの結合]**の順に選択します。
行は、Tablix内で水平方向に配置したセルグループです。行ハンドラを左クリックすると、セル内のすべてのレポートアイテムが自動的に選択され、プロパティタブに[行]と[TextBox]の2つのタブが表示されます。[行]タブでは、行内のセルのデフォルトの高さが表示されます。ただし、セルのサイズはプレビュー時に拡大または縮小する可能性があります。詳細については、TextBoxコントロールのCanGrowプロパティとCanShrinkプロパティを参照してください。
[TextBox]タブを使用すると、行内のすべてのレポートアイテムのプロパティを同時に変更できます。
列は、Tablix内で垂直方向に配置したセルグループです。列ハンドラを左クリックすると、セル内のすべてのレポートアイテムが自動的に選択され、プロパティタブに[列]と[TextBox]の2つのタブが表示されます。[列]タブでは、列内のセルのデフォルトの幅が表示されます。
[TextBox]タブを使用すると、列内のすべてのレポートアイテムのプロパティを同時に変更できます。
Tablixデータ領域では、行グループと列グループが角かっこ([ ]
)で囲まれて表示されます。角かっこの右側または下側のセルをクリックすると、[Tablixメンバ]タブには対応する行または列グループの構成設定が読み込まれます。
レイアウト
表示:グループを表示するかどうかを定義します。「ドリルダウンレポート」デモでは「SalesMonth」グループに対して動的な表示を設定して、ドリルダウン機能を実装しています。
行または列グループの[並べ替えの式]プロパティは、グループを並べ替えるアイテムのコレクションです。各アイテムは、式と並べ替え方向で構成されます。たとえば、「高度なTablix使用方法」デモでは、Group_SalesYear行グループの並べ替え式が「{SalesYear}」に設定され、並べ替えの順序は昇順に設定されます。これにより、プレビュー時に年が時系列順に表示されます。
Tablixのグループは、行と列の共通部分にある単一のセルで構成されます。グループの内部または外部に新しい列と行を追加できます。内部の場合は、新しく追加されたセルはグループ毎に繰り返されます。外部の場合は、新しく追加されたセルはグループごとに1回繰り返されます。
たとえば、「複数の値を持つTablix」デモでは列ヘッダを追加するには、次の手順を実行します。
出力は次のようになります。
行グループと列グループは階層的に配置できます。たとえば、「静的列を持つTablix」デモでは、GroupSalesChannel行グループにGroupProductCategory子グループがあります。また、「高度なTablix使用方法」デモのGroupSalesYearおよびGroupSalesChannelの行グループのように、グループを隣接することができます。子、親、または隣接するグループを挿入するには、Tablix内で角かっこの右側または下側のセルをクリックし、[行グループ]または[列グループ]で対応する項目を選択します。
同じコンテキストメニューを使用して、グループを削除または無効にすることができます。
または、グループエディタを使用して、グループを挿入、削除、無効化するか、プロパティタブにその構成設定を読み込むことができます。グループエディタには、Tablixメンバと呼ばれるアイテムの階層が表示されます。行グループと列グループが角かっこで表示されます。垂直線で表示される階層内の他のアイテムは静的メンバであり、静的テキストまたは合計値を含むセルを指します。
たとえば、次に「高度なTablix使用方法」のTablixメンバの構造を示します。
ほとんどの場合、TablixメンバはTextBoxであり、左クリックして変更できます。プロパティタブには、[TextBox]と[Tablixメンバ]タブが表示されます。[Tablixメンバ]タブを使用して、次のプロパティを変更できます。
Tablixは、2種類の合計を表示できます。
上記の両方のシナリオでは、合計行または列を挿入するには、Tablix内で角かっこの右側または下側のセルをクリックし、[[合計]>[合計を前に追加]]または[[合計]>[合計を後に追加]]の順に選択します。グループに親グループがない場合は、総計が挿入されます。それ以外の場合は、親グループの小計が作成されます。
追加の合計を挿入するには、レイアウトセクションで説明されているように行と列を追加し、新しく追加されたセルの集計式を設定します。